
ここに1枚の写真があります。これは、クレヴァンというキーウから西の350キロにある小さな町の 「愛のトンネル」です。この写真はウラジミールと撮った最後のものです。
彼は、この地方の出身で、当時キーウで様々な調査を手伝ってくれる有能なガイドでした。元アイス ホッケーの選手で屈強な体格で、国際試合でも活躍したそうです。自分には、コサックの血が流れて いると、外国チームとの対戦の武勇伝を、よく笑いながら話してくれました。
コサックは、かつてウクライナでも活動した勇猛な、自治集団です。自分たちの独立を何より重視し、この地域を支配しようとする勢力に反乱し続けたという集団です。
ウラジミールに、その血が流れているのか真偽のほどは別にして、試合中に鼻の骨を折っても最後までプレイしたのは本当のようです。
彼がウクライナの西部に詳しい人材ということで、運転手兼ガイドとして現地調査の補助お願いしました。
「この国は素晴らしい穀倉があるけど、今のところそれだけかな。市場経済や、西欧の政治システムが定着するには、まだまだ時間がかかるよ。たとえ、それが理想的なやり方としても、自由な競争の成果をみなが楽しめるためのルールがないからね。」
いくつかの商業施設を案内してくれる時に、ウラジミールはそう話してくれました。
そして、長いドライブの後、とっておきの場所に案内してくれました。ここは、彼の家族の愛が続いている緑のトンネルだというのです。 続く